忘音
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楽曲について
「忘音」は、忘れられた音と失われた記憶をテーマにしたボカロ / アンビエント寄りの一曲です。Fメジャーのやわらかい明るさを土台にしつつ、すっきり前向きな方向には振り切らず、思い出せそうで思い出せない感覚や、感情だけが残っている記憶の曖昧さを音で描いています。
ゆるいむくんの中では、はっきりした景色よりも「気配」や「感触」から入るページです。気持ちが少し空回りしている時や、何かを整理しきれないまま夜になった時に流すと、この曲の輪郭は伝わりやすいと思います。静かだけれど、ただ薄いだけではない余韻を残すことを目指した曲です。
制作背景・エピソード
出発点は、「昔聴いたはずなのにメロディーは思い出せない、でも感情だけは残っている」という感覚でした。記憶は完全に残るものばかりではなく、断片だけが残ることも多い。その不完全さが、逆にその時の気持ちを強くしていることがあると感じて、この曲では曖昧さ自体を美しさとして扱っています。
音を整理しすぎると記憶のにじみ方が消えてしまうので、少しぼやけた空間や溶けるようなテクスチャーを残しています。聴き手がそれぞれの記憶を重ねられるよう、意味をひとつに固定しすぎないことも意識したページです。
聴きどころ
ボカロの声とアンビエントなサウンドが、前後関係のはっきりしないまま溶け合っていくところがこの曲の聴きどころです。歌としての輪郭はありながら、背景の空気が少しずつ滲んでいくことで、記憶の中を漂っているような感覚が生まれます。はっきり泣かせる曲ではなく、あとからじわっと残る種類の感情を目指しています。
小さめの音量で、夜や移動中に流すと相性が良いです。関連曲としては、終わりと始まりを扱う おわってはじまって や、感情の二面性を扱う 欲 と並べて聴くと、ゆるいむくんの歌ものの幅が見えやすくなります。
ボカロ曲の中でも、物語をはっきり説明するタイプではなく、感情の残り香だけを静かに置いていくような聴き方に向いています。夜の散歩、考えごと、少しだけ言葉にできない気分の整理など、輪郭のぼやけた時間に寄り添うページとして受け取ってもらえたら嬉しいです。
使用楽器・音色
- ボーカロイド
- シンセパッド
- ピアノ
- アンビエントテクスチャー