antinomy day
曲の説明を読む
楽曲について
「antinomy day」は、相反するものが同じ場所に存在してしまう感覚を、和風サウンドと電子的な質感の交差で描いた実験的な一曲です。静かなはずなのに緊張がある、冷たいのにどこか温度が残る、伝統的なのに新しい。そうした矛盾を否定せず、そのまま音楽の中で共存させることを目指しています。夜の読書や思索、整理しきれない考えをそのまま抱えていたい時間に合うページです。
ゆるいむくんの世界観の中では、景色よりも概念に寄った曲ですが、難解さを前に出すより、感覚として理解できることを大切にしています。和風の輪郭を残しているので遠くなりすぎず、それでいて普通のヒーリングにも収まらない、不安定で美しい位置に立っています。考えるためのBGMでありながら、説明抜きで空気を変える力も持つ一曲です。
制作背景・エピソード
出発点にあるのは、「二律背反」という言葉そのものへの興味です。正反対の真理が同時に成立してしまう状態を、文章ではなく音で感じられないかと考えました。そのため、和と洋、静と動、アコースティックと電子音といった対立しやすい要素を、どちらかに寄せ切らず、あえて同じ画面に置いています。緊張はあるのに破綻しない、その危ういバランスがこの曲の核です。
また、タイトルに day を入れているのは、哲学用語の硬さを少し日常へ下ろしたかったからです。特別な概念ではなく、誰の一日にも矛盾はある。その感覚へ近づけるため、難しい理屈を語るより、生活の中でふと立ち上がる違和感をそのまま音へ変換しました。ゆるいむくんのIPにある思索寄りの側面を支えるページです。
聴きどころ
聴きどころは、対立する要素がぶつかる瞬間よりも、ぶつかったまま均衡している時間です。和楽器的な響きが前に出たかと思えば、すぐ電子的な空気が差し込み、そのどちらも消えきらずに残ります。そうした不安定さが、単なる和風BGMや実験音楽とは違う独特の温度を作っています。
もうひとつは、気分をひとつに固定しないことです。落ち着きにも、不安にも、知的な高揚にも読めるので、聞く日によって意味が変わります。答えを出したい時より、まだ答えを急がず考え続けたい夜に向いている曲です。
使用楽器・音色
- 和楽器系の音色
- シンセサイザー
- 電子ドラム
- 空気を保つパッド