「逢魔時(おうまがとき)」は、昼と夜の境界線をテーマにした楽曲です。この制作ノートは当初公開したインスト版をもとに書いた記録ですが、現在の公式サイトでは、公式歌詞を持つボカロ版を現行版として公開しています。
公開版の変化
- 当初:インスト版として公開し、シンセのフレーズを主旋律として扱っていました。
- 現在:歌詞と歌を加えたボカロ版を現行版として公開しています。
- 公式歌詞:現行版の作品ページで全文を掲載しています。
「逢魔時」という言葉について
逢魔時とは、夕暮れどきのことを指す日本語の古い言葉です。昼でも夜でもない、空がオレンジから紫に染まる一瞬。視界が曖昧になって、現実と幻の境目がぼやけるような感覚がある時間帯です。この「境界が曖昧になる」感覚をそのまま音楽にしたかったのが、この曲の出発点でした。
旧インスト版で考えていたサウンドコンセプト
キラキラしたアルペジオシンセは、夕暮れに輝き始める一番星をイメージしています。音が次々と連なってきらめく感じを、高音域のシンセで表現しました。コードチェンジに合わせてアルペジオのパターンが変わるように設計していて、「時間が流れている」感じを出しています。
一方でベースラインは少し太めで重厚にしています。昼の明るさが消えていくにつれて、夜の気配が忍び寄ってくる感じ。そのコントラストが曲の緊張感になっています。
旧インスト版のメロディライン
当初のインスト版では、メロディをどこか懐かしい歌謡曲のような音使いにし、シンセのフレーズ自体が「歌っている」ように聴こえることを意識していました。現在はその世界観を引き継ぎながら、歌詞と歌を持つボカロ版へ更新しています。
現行ボカロ版で加わった言葉
現行版の歌詞では、夕暮れの景色だけでなく、昔の自分や友人を振り返る感覚、時間の針を進めること、誰かを祝福して送り出すことが描かれています。旧版の「昼と夜の境界」という入口に、区切りと再出発の物語が加わりました。
帰り道、ふと空を見上げた時にこの曲が流れていたら嬉しいです。
美しい夕暮れが、あなたの明日を彩りますように。