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作業用BGMとしての音楽を作るということ

「ゆるいむくん」というプロジェクト名をつけたとき、すでにこのサイトのコンセプトは決まっていました。「日常の隙間に置いておける音楽」。つまり、主役にならない音楽です。

「主役にならない音楽」を作ることの難しさ

これを言うと「舐めてるの?」と思う人もいるかもしれません。でも自分としては、それを作ることがとても難しいと感じています。主張しすぎない、でも存在感はある。うるさくない、でも退屈でもない。この細いバランスを探すのが、ゆるいむくんの音楽を作る楽しさです。

「聴きに来る」音楽を作るのとは逆方向のアプローチが必要です。聴く人が積極的に選んで聴く音楽は、「引き込む力」が重要です。でも作業用BGMは「引き込みすぎない」ことが大事。この逆張りの設計が、思った以上に難しいです。

BGM向けアレンジの具体的なポイント

作業中に音楽を聴く人の脳は、音楽を「聴いていない」状態にあります。意識の端に流れていて、集中の邪魔にならない。でも部屋の空気を満たしている。その状態を維持するために、自分が意識している具体的なことを書いてみます。

  • 転調を減らす:転調は「あれ、曲が変わった?」と意識を引き戻してしまいます。BGMは同じキーのまま最後まで進む方が自然に流れます。
  • テンポを一定に保つ:テンポが大きく変わると脳が驚きます。BPMは固定して、ノリは音符のタイミングで作ります。
  • 歌詞で強いメッセージを投げかけない:歌詞は言語処理を使うので、集中を邪魔します。英語や言葉数の少ない歌詞の方がBGMとして馴染みやすいです。

引き算の先にある個性

こうした「引き算」の選択を重ねると、残ったシンプルな要素に自分の個性が浮かび上がってきます。何を残して何を捨てるか。その選択そのものが、作家性につながっていく。それがBGM音楽を作る面白さだと思っています。

「いつか誰かの作業のお供になれたら」という気持ちで、これからも曲を作り続けます。

音楽は、そっと寄り添うものでいい。